2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

本番おわりました

振付をもらって踊ることはほんとうの意味ではアウトプットの欲を満たさないのかもしれない、ということをふと考えてはっとした。自分のこのごろの作品に対する姿勢というか興味のありかたについて、なにかとてもずれたことをしてきたのではないか?という気…

「銀河」/下平さん写真展

トーテムポールギャラリーの下平さんの個展。前日に一緒に写真展をしているジュンさんからとてもよかったよというメールをもらって、日曜までかぁ!と気付いたので移動の隙間に。今回は何の予習もなく行った。写真を半分くらいみているうちに、ここにあるの…

静かでちからづよい変化

いつもの通り道の植え込みがいつもよりぴかぴか見えた。雨が降ったからかな。ひと同士は動けるから逢いにゆくことができるけど、植物は動けないからこうして私が歩いてこないと逢うことができないんだなあ、と思う。しょっちゅう通りかかるわたしのことを、…

町のなかの廃墟

これを撮って向き直ったら小学生が「なんでこれを撮るんだろう」と、建物とわたしを交互にみていた。こどもよ、へんなおとなもいるから安心して大きくおなり。

岩手/薪能の準備をみる

能の準備ができるまであちこちをうろうろして写真を撮った。 雨はだいぶ小止みになってきていた。能がはじまるまでに止まないとたきぎが焚けないですね、という話から、薪能というのはたきぎを焚きながらするから薪能なのではなくて、たきぎを神様に奉納する…

岩手/おみくじ売り場

最初間違って訪ねたのは能殿の裏だった。やさしく丁寧に神社を教えてくださったかたはあとで分かったけれど仕手のかただった。神主さんらしきひとがおみくじ売り場にいた。おじさんの名前をちゃんと聞いてこなくておばあちゃんが「○○ちゃん」とあだ名で呼ん…

サングラス

サングラス越しの世界の色がきれいだなあとおもったからカメラにもサングラスして撮ってみた。

とにかく撮ること、かげろう

ミニLine展の5回目の作品を引き取りにルーニィへ。5月から実験のように月一回作品をつくってきて本展示までの折り返しの時期なので篠原さんに感想をうかがってみた。自分だけが抱えている世界はほんとうにちいさい。そこからよかれと思って取り出すものは…

たぶん煩雑からもうまれる道のこと、ピクニック

あたまの中が整理整頓されている状態になったことがあるかな、果たして。いつも目的みたいな場所は遠いしみみたいに見えている。歩けどもあるけどもそれは近づいてこない。目移りすることも多いし、霧もかかっているし、ゴールに似た匂いのものはそこここに…

夢の名残り、型押しするみたいに

長い夢をみてなかなか戻ることができなかった。氷河の雲の向こうからビルの屋上に落ちてくる大きな雪玉や、ナイアガラの滝のような色のない花火のことをなんども思い返した。冷えた床や漆喰のこぼれたさらさらとした感触のこと、足をさらうような吹き上げる…

岩手/白山神社 能舞台

中尊寺も金色堂もずっと越えて月見坂を最後まで上がってゆくと白山神社というちいさな神社があります。それがおばあちゃんの生家。とても立派な能舞台を持っていて、むかしはおばあちゃんも能を習ってお祭りの時に踊ったりしたそう。8月の半ばにいつも薪能…

01:33

ひたすらに強くなれることがある。自分を、強いとこころから信じられること。踊ることを考えるときもときどきそう。(踊ることを考えるとき、ときどきものすごく弱くなったりもするから、だから“ときどき”)だいじなひととの会話のあととか、新しい素敵なこ…

岩手/地元のかたと話す

やっと土手まであがるとずっと向こうからジョギングしてくるひとがいた。迷子のあいだ時々見えていたひとだ。なん往復もしていっぱい汗をかいている。この景色で初めてすれ違うひと。私の前で急にスピードを緩めて「どこから来たんですか?」と歩調をあわせ…

岩手/畑でちいさく迷子

ときどき鳥よけの鉄砲の音がしていた。だれもいなくて、日差しが強かった。浴びきれないくらいみどりがあふれていた。でも強くなくて、気構える必要もなかった。 たったひとりで歩くと色んなことを考える。こころの中でひとりごとをずっと話している。 左手…

岩手/畑へ

高いところから眺めているわけにはいかなくて畑のほうに降りていった。 こんなのどかなところに似つかわしくない看板。だってひとっこひとりいないんだよ。 ぽつんと落ちていた枯葉。いつもならぱりぱり踏むのに、なぜか踏めなかった。帰り道にもずっと待っ…

岩手/はなちゃんの記憶の場所

AAPAの夏の公演ではダンサーがそれぞれ「記憶の場所」を踊った。みのりちゃんは学校の窓から見えた白鷺、はなちゃんは遠くにトラックの駐車場と森の壁のある学校からの帰り道、私は隣町との境の橋。なんだか、このトラックははなちゃんの記憶の場所に少しだ…

岩手/宮沢賢治詩碑

ほとんど誰にも会わなかったけれど、この入り口ではお父さんとお母さん、っていうかんじのひとにすれ違った。地元の方にしてはちょっと不慣れな感じ。でも旅行者にしては身軽。 花巻に住むお友達が、宮沢賢治詩碑の高台から見る畑がきれいだから、と教えてく…

岩手/さんぽ道

すっかり草に埋もれた滑り台と、すっかり錆びてそっぽを向いたトラクターがあった。イギリス海岸はたぶんこっちの方、と駅から地図をたよりにあるいたら小さな散歩道があった。行きも帰りもここを通った。 歩きながら、ずっとひとつのことばかり考えていた。…

岩手/イギリス海岸の入り口

イギリス海岸の入り口に花がいっぱいの畑があって、手入れをしているおじさんと目があった。ずっと誰とも話さなかったから口がぐっとむすばれていて、口をひらいたら心臓も出てきそうだったから、挨拶すらできなかった。 イギリス海岸

岩手/イギリス海岸

知らない土地ではひたすら川沿いを歩いてしまう。川がないと教会とか神社をつないで歩いてしまう。バスにも電車にも乗らないですむところに、まず足で。 宮沢賢治のイギリス海岸も、台風の後の増水でぜんぜんイギリスではなかった。 石の階段に座り込んで濁…

NYテロ、青山墓地、聞えない耳

NYのテロから9年が経った。あの10日後、わたしはNYに踊りにいくはずだった。そのころ働いていたスタジオでもう息が止まりそうで、やっと許してもらえた自由に踊れる時間。わたしが地下で友人とご飯を食べているあいだに異変は起きていて、外に出ると…

百瀬陽子さん個展、美術館のこと補足

美術館にいってひとつひとつ作品を見ていても他の記憶があたまをもたげていつもその作品そのものへの感覚にどっぷり漬かることができない。こころを動かされないということではなくて、きっとその時の感触はいつかのちになってよみがえる。口に入れた瞬間の…

『陰影礼讃―国立美術館コレクションによる』、リアルということの考察

最後の部屋のあの感触はいったいなんだったんだろう。すりガラスの向こうに人がいる。見ているこちら側のことは知らず、そこでは日常のとあるほんのひと場面が繰り広げられている。ガラスに近づけばそれはよりはっきり見えるし、遠ざかれば靄のむこうに消え…

神戸から戻りました、神戸本番のustream

神戸からも帰ってきました。関西にいるお友達に見ていただけて、そしてお逢いできて嬉しかった。ひとが好きなのに緊張しちゃうのに、やっぱりひとがすきなのかな。踊っているときと全然違うね、とお茶をしながら友達に言われた。なんだか踊っているときは毅…

崔在銀 展―アショカの森/原美術館

art

・アショカの森入ってすぐの部屋がうろこのように重なった板で埋められている。遠くの窓にむかって少しきつめの坂。入り口から少しだったら入れますよ、と言われて入ってみるとぎしぎし音をたてて、この下には何があるんだろう?と想像する。アラスカのトウ…

あめのひ

雨に閉じ込められて、もうそれだけの一日を過ごしたい

リハーサル、臆病な犬と蜘蛛の巣の森、秋のこと

作品に参加する中で自分がなにを持ち込めるかを少し落ち着いて感じることができるようになってきたかもしれない。どんな種類のことは教わらなくてはいけないか、どんなことなら肩のちからを抜いてできるか…そんなことの自然な選別。雷の音で目覚めた。雨で空…

岩手/中尊寺

猊鼻渓から平泉に行こうとしたら今度は電車が2時間待ちだった。12時ちょうどのバスも行ってしまったし、2時間もどうやって待てばいいの。しかも、薪能の前におじさんが神事で忙しくなってしまうから15時半くらいに訪ねますと約束しているのに。駅に行…

夏はいつもいさぎよくいってしまう

朝方、さむさに目覚めて布団にくるまりなおすのが好き。空が高くてにおいをかぐのに背伸びをしなきゃいけないのが好き。グレープフルーツじゃなくて梨が食べたくなる。そろそろかおってくる金木犀。台所から聞える炒めものの音がちょっと近くなる。そうだな…

岩手/猊鼻渓

疲れていたみたいでほんとうにベッドにずぶずぶ沈むみたいに眠って、次の朝はしっかりと寝坊した。朝ごはんをゆっくり食べて荷物をまとめて、猊鼻渓に。電車を調べたら1時間も先でびっくりする。雨が弱く降っていて、屋根をかけての川くだりだった。たちこめ…