夢の名残り、型押しするみたいに



長い夢をみてなかなか戻ることができなかった。
氷河の雲の向こうからビルの屋上に落ちてくる大きな雪玉や、ナイアガラの滝のような色のない花火のことをなんども思い返した。
冷えた床や漆喰のこぼれたさらさらとした感触のこと、足をさらうような吹き上げる風も。

コントラステのリハーサルがはじまってやっと頭が戻ってきた気がした。
スタジオにいるとおうちみたいだ。
ただ漫然とここにいるわけじゃないからなおさら。

プレ公演でいただいた感想に鋭くあたたかく鼓舞された。
そこにあなたが生きてきたことがにじまなかったら他の踊り手でもいいんじゃない?ということばに思わず目をぎゅっと瞑る。
わたしはわたしの現実にきちんと作品を重ね合わせなくてはいけないんだった。
他人事を演じるのではなくて。
引き寄せているつもりで終わるのでもなくて。
目の前にあることとして、もっと手も時間もかけて温度もにおいも与えてたたみかけていかなくてはいけない。
そんなこと一番手前にあって飛び越えてはゆけないことのはずなのに、意識しないでもクリアできるようになっている気がしていたのかもしれないな。


自由時間がほとんどとれないのに行きたいところがたくさんある。
ぶどう狩りとネイチャーセンス展に今とってもいきたい。