「銀河」/下平さん写真展

トーテムポールギャラリーの下平さんの個展。
前日に一緒に写真展をしているジュンさんからとてもよかったよというメールをもらって、日曜までかぁ!と気付いたので移動の隙間に。

今回は何の予習もなく行った。
写真を半分くらいみているうちに、ここにあるのはいろんなちいさな宇宙なんだなぁという感覚が積もってきた。
ひとつひとつが完結した宇宙だし、でもその完結は断絶じゃない。
写真に写すことってもしかしたらそういうことなのかもしれない、ということを思う。
撮る撮られるの関係がつくるもののこともそうだし、もっとそこに留めることができるものそれ自体の性質…って書いていてちょっとまだ曖昧だけど。
見終えて下平さんがこの個展にこめていることの文章を読んで、自分に積もったものが裏付けられたような、よりはっきりした感触である場所におさまった。
そういうものが観る側の中に立ち上がるってすごいことだなぁと思う。

下平さんの写真には命がふつふつとたぎっているなあと思う。
でもそれは観ているわたしをもぞもぞさせるようなちからで、決して画面から押し出された強さではない気がする。
写っているものの強さが、内側を駈けのぼってくるような。
わっ!という強烈さが眼差しで包まれているかんじ。
ぱあっとこころが広がってゆく感触で、次を見たくなる。でもずっと立ち止まっていたくなる。
どんなことを見ているんだろうとか、どうやってこれを選び出したんだろうとか、そういうことにじっとこころを寄せようとする。
そういう意味で作家さんを知っているということは作品を見るうえで大きなことだなあとも思う。
それが必要だ、ということではもちろんないのだけれど。

ギャラリーを出たらすっかり暗くなっていたのに写真が撮りたくてたまらなくて、うまく写らないとわかっていながらいっぱいシャッターを切った。
きっとものにはならないけどわたしにとっては大切な写真だろう。


下平さんの個展は四谷三丁目のトーテムポール・フォトギャラリーで26日の19時まで。
■トーテムポール・フォトギャラリー