集中できない、かかとの骨、古巣

最近うまく集中できない理由は、今これをすることが最良のことなんだろうか、とふと疑ってしまうことだ。
喫緊の目的や締め切りのあることならぐっと入り込めるが、そうでないこと、勉強や読書や長期的なプロジェクトについては本当に今このことをしている場合だろうか?無駄なことをしているんじゃないだろうか?と考えてしまう。好きでやっていることほど、好きなことなんかにかまけている場合なのか、という気持ちになるので困る。
私は何も成していない。できなきゃいけないことが他にあるのにそれへの最短距離を歩んでいない。そういう風に心のどこかがいつも落ち着かない。遠回りをしている場合なのか?すぐ忘れるのに読んだり勉強したりして意味があるのか?

私の人生なのに、なにに追い立てられているんだろう。済ませてしまわなければならないものなんてないし、済ませてしまえるような簡単なことでもない。今すぐにどうなることでもない。

 

いつもの友達と会う夢をみた。
何故か私はみんなにマッサージをしてあげる約束をしている。4人いるから1時間ずつしかしてあげられないよ、と言いながら一人目。話をしながら揉み返し防止に足をさすっていると、ふくらはぎの真ん中が痛いと教えてくれる。辿ってゆくとアキレス腱が傷んで、むき出しになったかかとの骨は焦げている。そういえば彼女は近年足首を骨折したのだった。
食べ物が時々運ばれてくるのだがそうするとそれを食べに行ったり、そのついでにおしゃべりが始まったりしてマッサージどころではない。私もテーブルの上のものをあれこれ食べてみる。隣に幼馴染のお兄さんがいて、そろそろ仕事に行かなければと時計を見ている。嵐になりそうなのにこれから出ていくの?と訊く。子どもの頃からこのひとのことを知っているけれど、別の関係になることもあり得たのだと一瞬考える。
お世話になったスタジオに行く。正門は閉まっているが裏の駐車場が空いている。自動シャッターが閉まりかけているところに滑り込む。誰にも会わないように隠れながら廊下を歩く。声もしないから今日は休業なのかもしれない。もう営業日すら忘れてしまっている。ガラスの扉に私が考えたレシピが貼ってあって、どこかで賞をとったようだった。私には報せてもくれないのか、ここの人たちは相変わらずだと思う。