* 無限に降りてゆく、『芸術状物質の謎』



どこかこの先へ発展してゆくのではなく、
ずうっと自分のなかの螺旋階段を降りていってさぐる。
視線はうんと遠くを見つめるし、皮膚はいつもしらない空気を求めているけれど、
いつも耳は、からだの奥をおくを、きいているかもしれない。

死者の場所を町の外に置いたギリシャとはうらはらに日本は、お墓のまわりに生活の場所を作った。
死といういちばん遠い(遠ざけたい)場所はいつも身内にある。

包まれているこの中心が、もしかしたらいちばん遠くまで照らすのではないか。
真ん中を踏むことがすべてを踏むことになるのではないか。
刻み続けることで終わりがないのは、永遠に外側に向かうことと同じなのだけれど。

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飯村さんの『芸術状物質の謎』を読んだ。
残念ながら、どうしても個展