雪の前触れの

目を上げて飛び込んできた景色はがらんと広くてこことの距離を失った。
砂浜に打ち上げられたみたいな枯れた枝が組み上がっていて、ただそれは砂浜ではなくて道の傍にあったというだけだ。
からだの大きさが擦り合わなくて何か不安になる。
エドワード・ゴーリーのような味。

分かることが増えたなんて考えていて時々うんざりしたりもした。
その都度ぺしゃんこになるのにそのぎりぎりまで何か握った気になってる、なんかそういうことばかりすかすかと繰り返して。
でもこの頃は少し違う重さで立ってみているかもしれない。

踊りたいな。
自分の踊りじゃないもの。
わたしは消えて皮膚だけになる。