ストック



自分のなかにある景色を踊りにするっていったいどういうことだろうなあ、とぐるぐると考える。
とても直截的なことばかりしている気がして打ち消す。
こんなの自分がつかまえたことなのかほんとうに、と取り消す。
じゃあなにが残っているんだろ?
いや、残ったものじゃないんだ、ストックで踊るつもりはないんだもの。
それなのに、いつもそこに頼る。
できることばっかりにしがみついちゃう。
100分踊ってきっとこれだと思うことにやっとたどり着ける。もしくは、たどり着けない。
つかまえる速度がおそくてときどき途方にくれてしまう。
からだよりもあたまがかたくなで、ぴたりと停止してしまう。
考えたって動けないのはわかっているのに。
動いてみてそこから切り出すしかない。
塗り重ねて色が出てくるのをつかまえるしかない。
からだは新しいことを求めているはず。
あたまが足をとめているだけで、ほんとうはそちらに向かいたい。
破きたい表面のこと。
もっとなんだってできるはずのからだ。
考えないでおどろう。
しらないところでおどろう。
じゃないと動けない。
おどりたいのにこわくなっちゃう。
おそれなんかふきとばす。