黴から発酵までのグラデーション

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パソコンでものを書くのに一生懸命になっていたら、いつのまにか椅子を左だけの坐骨で座っていて(つまりおしりの左側だけで座っていて)そのせいでいつもは痛くならない左腰が痛くなってしまった。
普段は右側の腰が痛くて、これは高校生の頃に器械体操部だった時にヘルニアになりかかってからずっと抱えている痛みなのだけれど、あっさり右腰は痛くなくなっているので、良い調子にずれたのかもしれない。
今朝起きてみたら、ふとしたはずみでぎくっとなりそうになるので、そおっと動くようにしている。
むかしから、変な格好で寝たり(実験のため)、夢中になりすぎて無理な格好を続けてどこかを傷めたり、よくする。
たぶんこころのどこかで誰かに笑ってほしくてやっていたのかもしれないけれど、もういい大人だし、むかしのように体を傷めてもすぐに治らないのだから、こういうことはやめなければならない。

この一週間同居人Sがうっすら具合が悪かったのが、週末になってからだの外に出だしたよう。
私も微熱があったのだが、パンを捏ねていたら治ってしまった。
今日は椅子に座り続けるのがしんどいのでパンでも捏ねよう、やることは発酵の途中にやればいいのだし、と始めたのだけど、今日はなかなか生地がなめらかにならなかったので時間がかかってしまった。
発酵について18日からとあるかたがアパートメントに書いてくださる。
私はそれがとても楽しみだ。
楽しみなので、フライングして発酵について色々調べているうちにパンを作りたくなったというわけなのだけれど、発酵についてもっと知りたいな。

私はカビがとても怖くて、なぜ怖いかというと、カビに触るとそこから身体のなかに菌糸が入り込んできてしまうような生きている感じがとても怖い。
フランスに来てから、フランスなんて乾燥しているはずなのにうちの台所は何故か屋根に穴が空いていたせいで湿気が溜まり、壁にカビが生えやすかったのだが、綺麗にしたいけど触るのが怖くて、かといって洗剤などを使いたくなくて、カビが広がってしまったことがあった。
食べ物も、ちょっとでもカビたり、腐った部分があると、触るのが怖かった。
私の指もカビて腐るんじゃないかと(頭では思ってないけど)いう気がして。

でもNetflixの発酵の番組を見てから、ものを腐敗させるプロセスの面白さや大切さが自分の生活でやっていること(キャベツに塩してジャーに置いておくと乳酸菌発酵することとか、パンが膨らむこととか)と感覚的に結びついて、なんだか急に大丈夫になった。
いや、もちろん腐敗と発酵が近いものだということは頭ではとっくに分かっていたけど。
ジュリー・デルピーが映画の中で、パリに遊びに来た潔癖症の彼氏がお風呂のカビを見て驚いているのに対し「カビはチーズにだって生えてるのよ。カビは体にいいのよ」と言っていたのを、思い出す。
私はかなり潔癖症なところがあって、ひとつのものごとをやる間に手を洗いすぎ、手を拭きすぎて時間が倍かかっていたのだが、そういうことも減ってきた。

同居人は今日リハーサルがあるようなので、あつあつの葛湯を入れてあげる。
(あみちゃん、ありがとう。この葛湯おいしい…)
私もそろそろ腰が痛くなってきたので歩き回ろう。