布と糸と不在/Nicoleと再会

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繋がりのある方が展示をされているとのことでMAISON BLEU STUDIOExposition VIDE ET PLEINに行って来た。 大西康明さんの作品がギャラリーの空間ととても相性良く存在感があった。血管のようにも、垂直方向の等高線みたいにも見える細かい支えの糸がうつくしくていつまでも見ていたい感じだった。 盛圭太さんの作品もかっこよくてじっくり見た。糸で絵を描くことで立体空間にそれが旅立てるというのはいいなあ。

糸や布の作品にこのごろこころ惹かれることが多い。 夕方にausterlitzの方で見たこころに残った作品も、80%くらい糸を使ったものであった。 がさっとした布を布とほぼ同じ色合いの糸でざくざく縫っただけを額縁にいれたものとか、延々と地面を縫う女性のビデオ、雑とした紙ものを糸で束ねたもの…。 大きなフェルトや古い布が包帯のように自らを包みながら、門のように大きく構えた作品もよかったな。ロスコみたいでもあったしキーファーみたいでもあった、でももっと不在の感じ。もしかしてヤン・ファーブルの『死の天使』を見たときのようなそこに在らぬことを見た感触に近いかもしれない。

ギャラリーで働いていたお友達にも会えたしよかった、と思いながら駅の方に歩いていたら、夕方に待ち合わせをしているNicoleの展示会場を偶然に見つける。 設営のため大勢のひとがあちこちを動き回っていて、この会場のどこかにNicoleがいるんだなあ、でも巨大すぎて見えないなあ、と通りすぎようとしたらちょうど出口からNicoleが出てきた。約束の時間まで2時間もあるのにどうしたの?!とびっくりする。予定を繰り上げて、austerlitzの展示に行った。 Nicoleとは2月に一緒に作品を作って以来。私はもともとできない英語がさらにできなくなっていて(単語を100個くらいは覚えてたはずなんだけど15個くらいしか思い出せないレベルになってた)英語を話そうとするから余計にフランス語も話せなくて、会話はいつものように相手の洞察力だけが頼みの綱になってしまった。 けれど、彼女といると楽しくて心地いい。 austerlitzの展示はとても規模の大きなものだった。 彼女の作品を気に入るのではないかというギャラリーがあったのだけれどブラジル出身のアーティストしかコンタクトしないことにしているとのことで残念だった。

Nicoleの展示はこちら。(彼女自身は明日ベルリンに帰ってしまうけれど。)

また一緒になにかできるといいな。