コントラステ感想

コントラステ舞台。
自分がキャストに入らず見るのは『真夏の夜の夢』以来。

光や映像をいつもより使っていて転換やきっかけが多かったけれど、それが見えすぎず一体になっていてセンスがいいなぁと思う。ところどころは苦労を少し聞いていたということもあって照明の展開に気をとられた場面もあったけれど。
踊り手がよく作品を理解しているという感想をネット上でいくつか読んだけれどその通りで、たぶんそれがあったから振付家はここまで突き詰めてみることができたんだろうな。
たぶん今までかたちになかなかならなかったものや遊びきれなかったものがいくつも結晶したのが今回なんじゃないだろうか。
でもここを見せてしまったらきっとダンサーはもっと求めると思う。
もっと振付家は引き出されないといけないし、ダンサーはまたそれを越えないといけないし。
そういう作業は楽しいししんどいし楽しいし…だから次の作品が楽しみ。
そのクリエイションの場にいられたらいいんだけど。

それぞれのダンサーもよかった。いいダンサーが揃っているなぁ。
一緒に踊っていたからわからなかったわけじゃないと思うし身内贔屓でもないと思う。
それぞれが、いろんなことをつかんだのが今回だったんじゃないかな。

でもいつも思うことだけれど、音楽とからだがなかなかしっくり溶け合わないことがあってふと現実に戻される。
ひた、とくる瞬間はもちろんあるんだけど、そして音から外れているわけでもないんだけど、…でもこれは私がとらえる音の質や重みの好みに過ぎないかもしれないな。
ときどき、無言で踊っていることに違和感を感じる。
無言で踊ることは当たり前のことなんだけど、そのことを殊更意識してしまう瞬間があって、これはいったいなんだろうとずっと考え続けている。
もっと満たしてもいいのに、というかんじ。
なにをもって満たせばよいと感じているのか、自分にもうまく説明ができないけど。