町境の橋

もう少し進めるはず
つかんでいる手は冷たいけれど、足元には川が流れていると思えばいい
遠くに映るけれど水面まではその半分なのだから

どこまでを橋の裏と呼ぶんだろう
階段の裏はどこに通じるの
手の中ではひとつながりなのに実際は一歩も動けないことになる
それはわたしがずっと空に頭を向けて生きてきたからでほんとうはなにも邪魔にはならない

川はバスの終点を抜けてあの森の方へ降りてゆく
真ん中まで進めばそれを見届けられるはずなのだけれど
飛べるなんて思っていない
ただその一本道の先に何があるのかみたい
そうだ、わたしは泳いでいたのだ
この低い飛行は海へとつながっている