blue、sono un gran bugiardo



青に沈んでいるというよりは、
他の色がひかりとともに去る中あおだけが浮き上がってくるよう。
銀色の電車もあおい。
さくらもぐっと体温を下げる。
すべてのすきまに降りていっそう浮き立たせ、そして一緒に息をひそめてゆく。

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『フェリーニ~大いなる嘘つき』を朝ご飯のパンをかじりながら少しみた。
だんだんわからなくなる。
どこまで作為があって、どこまでが天賦のものなのか。
なにをすごいと感じるのか、絶妙で緻密で、それなのに胸を苦しくさせるありのままの感覚がそこにはあって…ときどき、この世界は完璧じゃないか?と思いため息が出る。
何度も、なんども。
それをすべてこのひとが生み出しているということが、このおじさんのあたまの中にすべてが描かれているということが。
わからなくなる。

“美しいアドリア海のほとり産”が見いだすうつくしさに惹かれるけれど、それはまるで帰りたいかのような迫力をもって引っ張ってゆくけれど、じゃあわたしは?
それと同じ種類のものを求めようとしてもおそらく叶わない。
わたしにはわたしに備えられたもので世界を見るしかないのだ。

ふかく落胆しながら、
でも絶望じゃないんだな。
きりのないことは大好きだもの。

探さなきゃ。


フェリーニ 大いなる嘘つき