夢/宴、砂漠へ



すごく小さい電車でそこに出かけた。
イベントがあるからおいでよ、という感じだったように思う。
危ない波打ち際にも行ったかもしれない。
大きな大腿骨くらいの骨付き肉をほとんど骨だけになるくらい煮たものを食べた。食べ終わる頃には骨は手羽先くらいになっていた。
右には一緒に踊っていたH.Yちゃんがいて、目の前のちょっと変わったバーテンがHちゃんに話しかけ、私は飛び越えて、左にいる友達(Kくんだった?)に話しかける。
私は取るに足らない存在なのだと変ながっかりをする。

カフェで女の子ふたりと相席になる。
食べる順番のリズムを二人は私に見ようとする。

7歳くらいの女の子と踊りを通じて仲良くなる。
そのときはあまり通じ合わなかったように思うのに、実はひそかに懐いてくれていたようで、家まで追ってくる。
家は長屋のような形で電車の線路の上を走っている。女の子は線路とクロスする道路から走ってきて踏み切り(と言ってもおうち電車は高いところを走っていて、道路は高架下にあるから踏切の意味はないんだけど。真下だけれど踏切があるということは見なくてもわかる)を通り越して反対側に行ってしまう。私がいるのが、踏切の中だと思ったのかもしれない。
上だよ、というと見上げて、学芸会みたいなやつ、来る?と言ってくれる。
いくよ、と言ってから、この夢の世界と私の本当の世界がそれほど接していないことをふと思い返したんだと思う。嘘をついたらいけないから、いけるかわからない、でも行けたら行くよ。
いつかと聞いたら来年の1月7日だという。
正月か!と、感動の場面の真っ最中にツッコミを入れた。
あの子とまた逢えるだろうか。
1月7日に何があるんだろう。

気付くとみんな酔っぱらったりしていた。
明日こそ近くの砂漠に行こうと言う。
出かける準備として、どんな順番で洗濯をしておこうか、と話す。
ベランダにはたくさん洗濯物が干されていてずいぶん強い風になびいている。ちょっと外に出せば乾くだろう。
家の雰囲気は磯子の前のおばあちゃんの家に似ているかも。あそこを横にした感じ。
ずっとドアが半分開いていて、そこから誰か(あとで、佳子に統一される)が覗いている。
明日行かないみたいな話になるから、私に近しい男の人(現実にはいないひと)が神への踊りを披露することになる。
金色の光のように踊りながら、みんな丘で思いおもいの格好でそれに見とれる。
私がその男の人になり、ほんとうはどうやって踊ったらいいのかわからないんだけどどこかでわかっていて、踊り続ける。

踊りが終わるとみんなすっかりぐったりしてしまう。
洗濯の順番を決めようというともう明日はいいんじゃない、みんなこんな状態で砂漠には行かないよ、と。
これまで4日くらい、私はずっとどこにも行けず我慢してきた。
なのに最後の日の、まさに目的だった砂漠にすら行かないで1日を酔いと共に棒に振るなんて!
私は泣きべそをかきながらドアの外の佳子に、「バスとか電車でも砂漠にいける?」と聞く。
佳子は、もう現実にはいない人だった。
そもそもその家は佳子の家だったようなのだ。
もうここにはいなくて、ずっと昨夜からドアを開いて覗いていたようだった。
佳子は、行けるよ、私はずっとそうしてた、と教えてくれる。
優しいけど甘やかさなかった。