森と芸術展と森と

東京都庭園美術館は目黒にあるのにこんもりしたちいさな森の中にあって、導入も含めてこの展示にぴったりだと思った。 雨がざーざー降っていたけれど木や土の匂いが濃くてそれを粒のまままとって絵をみる。ときどき、薄いカーテンや凝った窓枠の向こうに揺れる葉っぱとか鮮やかな花をみる。 庭園美術館は初めてだったのだけれどどこまでが展示でどこまでがこの建物の意匠なのだか、わからなくなるところがあった。 派手な作品はなかったけれどしみじみと味わいのあるものを、テーマに即してゆっくり集めたかんじ。 あの建物に住んでいるおじいさんの好きなものをみているみたいでのんびりとした気持ちになることができた。好きな作家はもうちょっとみたいなぁ、って思ってしまったけれど。 このごろちょっと心に引っ掛かっていたKarl Blossfeldtがあらわれた時には引力みたいで嬉しかった。 とても好きな絵本の挿し絵を描くひとの名前も知ることができた。

雨の庭をしばらく散歩。 薔薇が20種類くらい咲いていたから全部匂いを嗅いで、違いをことばにしてみた。 いろんな木の皮に触って、いろんなにおいを嗅いで、雨の日がやっぱり好き。

麻布に万華鏡の専門店があってそこもとても楽しかった。 これはいいなぁと思ったものがびっくりするくらい高くて、でもこういうものがこんなに高いっていいことだなと思う。