はたらくお兄さん



正面から急にカメラを構えて撮ることはやっぱりできない。
どうしてもうしろからこっそり撮ることになる。

うしろ姿は好きだ。
こちらからは見えない視線がどこに向かっているのか、想像のなかでそのひとの見ているものを見る。
後頭部でそのひとの景色とわたしの景色が交差する。

…なのに振り向いちゃった。