アネモネ



アネモネが好きと話したら覚えていてくれて、わざわざ育てて花が咲いてから届けてくれた。






いちばん元気でなくなった花は摘んで、コップに挿す。
ちいさなつぼみのため。











こまめに元気のなくなった葉やつぼみや茎を切りながら、よくそれを撮った。



アネモネの画像を探そうとしたら広い野原をうめているものがみつかって、それはイスラエルのものだった。
そこは大きな火事があってまっさらになってしまった土地だったんだって。
アネモネの種は風に乗って、最初の植物になる。
アネモネの友達に話をしたら、建築現場でも更地からはいろんな植物が小競り合いをした結果、最初の植物としてはびこる植物があるんだって。

なんだか、アラスカの、倒れて朽ちたトウヒから新しい植物が生まれる話を思い出して。
トウヒの生えたうっそうと暗い森には生きられない多くのひかりを求める背の低い植物が、死んだトウヒからのびて、最初の森になる。
その植物はいつか背の高い植物に負けて、土になって、背の高い植物もいつかトウヒに負けて、土になって、トウヒはその土で育って、朽ちたら川に流されて、下流のたまりで腐って、苔とか背の低い植物がまた生まれる。

そういうサイクルのことを。


なので、前回のミニ写真展ではアネモネを飾りました。
なにもないなんてことはないんだけど、もしなにもないとしか思えないところにでも、根付くことができる、みたいなことを思って。