おひさま写真














今日はルーニィの書籍スペースへ写真の設営をしてきました。

今回はサンプリント。
紫外線に反応して色が変わる薬品が塗られた紙にものを置いて影をつくり、焼き付けるもの。
子供の頃に科学雑誌のふろくにあった、おひさま写真みたいなものです。

最初は平たいものしか置いてみなかったんだけど、あれこれ実験するうちに楽しくなってときどき失敗したりしつつ、何だか夏休みの宿題を思い出しました。
モホイ=ナジ展にたくさんそういう写真があって、3次元を2次元にするってこれでも同じことだよ、みたいなことをぽんと気付いたこともあって。

わたしは写真を撮って展示したりしているくせに自分で現像やプリントをしたことがないのですが、焼く部分の順番を考えたり太陽を体で遮って焼きを調節しているうちに、写真ってこういうことなんだという実感を得たりしました。
プリント作業は楽しいな。
しっかり像ができたら水で薬品を洗い流してこれ以上反応が進まないようにするんだけれど(なにしろ紫外線に反応するからそのままにしておくと全部が焼けている状態になっちゃう)、その水に入れる前の姿がほんとうにうつくしい。
たとえば植物の細かい繊維のようなものまでしっかりととらえられていて、そういう詳細は水で洗うことでぼやけてしまうんだけど、だからこれは焼いている私だけにしか記憶されないことなんだなぁとしばらく見とれたり写真におさめたりして、なのでいちばんうつくしいところはお見せできなくてちょっぴり残念なのです。
普通の写真プリントも、水に入れている時の写真のうつくしさは特別みたいだから、ちょっとその気持ちがわかったかもしれない。


おひさま写真をするには時間との戦いで陽のあたるベランダと真っ暗にした部屋との間を走り回ってしまうんだけど、その時小鳥が遊んでいると思って喜んじゃって肩にしがみついて来たり追い掛けて来たりするものだからベランダに出る前に振り払って(手元の紙がずれないように気をつけながら)みたり、写真を水で洗うとその水を覗き込んで水浴びしようとするのを阻止したり、小鳥の牽制も大変でした。

そんなおひさま写真、何だか藍染めみたいにきれいに出来上がりましたのでぜひお立ち寄りください。
四谷三丁目のギャラリールーニィで、12日の火曜日から2週間展示しています。(月曜は休みです。17日の日曜日は16時までです)


そして、同じルーニィのメインスペースではマスナリジュンさんの2年ぶりの個展です。