ながい雨が止んだら



ほんのちいさなことが踏み出すちからをくれる。
踏み出せたことがまた勇気をくれてとんとんと何歩か進む。
その何歩かのあいだにきちんと、自分からうまれたことがある、という実感をつかまなければとんとんは惰性が弱まったら止まってしまう。

ときどき、わたしがなにもつくりださなくても誰も困らないと思う。
全部投げ出して生活のことだけを考えて、余った時間は好きな本を読んで、どこにも出かけない。
そうしても誰も困らないし世界は変わらないし。

ただそれじゃ自分が生きたここちがしないだけ。


ながい雨が止んだら秋のにおいの朝がきた。