福岡の自由時間 2



どんなにわくわくしていてもはしゃいだりわー!って奇声をあげたりしないのが大人なのだなあ、ということを思った。
子供の頃に見た景色を黙ってひとりで見ることが、夢をみる以上に不思議だった。






金屑川という川が家のそばを流れていて、よくパンの耳をカモメにあげていました。
この川は名前からも察せられるようにあまり綺麗ではないのだけれど、ここに引っ越すときに川と海と山の近くだよと言われてとても嬉しかった。


昔のまんま。(たぶん)






住んでいた社宅はすっかり別の建物になっていました。
目の前の拘置所もなんだか可愛いかんじの建物になっていて驚きました。
子供の頃、この拘置所から大きな声がすると泥棒が「出せー」ってうなっているんだと思って怖かった(ただの号令だったみたいです)。
ときどきそっちの方面の親分格のひとが牢屋から出てくるときに、この道はやっぱりその筋のひとでいっぱいになって、学校に行くときになんだかどぎまぎしたのを覚えている。
(でもなぜか可愛がられてその筋のひとの家でゲームをした記憶が…)

もともとこのアスファルトの色の変わっているところまでが社宅の敷地で、ここにそれぞれの家の倉庫があった。
子供の頃わたしは星の観察をするという名目でろうそくを持ってこの倉庫に上がって友達と夜空の下で遊ぶのが好きでした。


振り返ると、金屑川にかかる橋。
これを通ると隣町の室見にゆくのです。
エレクトーンの先生が室見にいたのでいつも自転車で通っていた。


あるとき、いつものことなんだけど原因不明の高熱が出て、それでもちょっと珍しく下がらなくてずっと眠っていたら、この橋を渡る夢をみた。
橋を渡ろうとしたら友達のゆまちゃんが何故か私を引き止めて、そして目覚めたら熱が引いていた。
その高熱を境に私は視力がぐんと落ちたので、もしかしたら危ない熱だったのかもしれない。