2011-10-28 高くて遠く 日記 少し寒くなってきて空気が気持ちいい。空には雲がいくつも層をつくって交差する。薄くてすぐ壊れそうなのにそのまま動くから、風は空気の動きなんだなと思う。深呼吸すると空の向こうの匂いをかいでいるみたいになる。ちょっとずつ自分の手にとれる景色を広げていって、薄い網でとらえる。もうそれ以上想像できなくなると拡げた手は消えていく。こういう時いつも佐藤亜紀の『天使』を思い出す。遠いどこかで休んでいる小鳥に触れて、羽根にくすぐられる。