ある日5
お母さんとダルちゃんと別れた後、ふと振り返るとふたりがいつも散歩道にしているであろう細い道に入っていくのが見えた。
あんまりすぐに追いかけるともう一度お茶に誘われたら誘惑に勝てなくなる!と思ってちょっと時間を置いてからその道を通ることにした。
鳥取に行った時に鹿野の畑にはお花が植わっていてきれいだなあ、なんて思ったけれど、うちの近所の畑だってお花だらけで全然負けてなかった。
もうここに15年くらい住んでいるのにそんなことも知らなかったな。
誰とすれ違うこともない、静かにおひさまが照っていた。
おひさまは遮られない限りちいさなものにも古いものにもひとしくそそぐんだなあと当たり前のことを考えながら。
この缶はなんのためなの