私の木、と決めて時々登っていた木。
枝の、かなり先のほうまでのりこんで葉に隠れた。


木登りはのぼるときは自分のなかの作業で、どこに手をおいたらいいか体重移動とともに足をかける場所の距離をはかったり、なかなか忙しい。
わたしは近所でもわんぱくで名がとおっていたのでもぞもぞ戸惑うわけにもいかず、するすると登らなきゃいけなかったからなおさら。


のぼりおえてはじめて、世界をながめる。