コントラステ舞台裏3






本番の日はおもいおもいの時間に集まって、
全体の稽古の前におもいおもいのからだ慣らしをする。

コントラステに入りたての頃、まだ私はいかにして本番へ自分のからだや気持ちをつなげてゆくかというすべを持っていなかった。
リハーサルを通じてどうやら自分はへとへとになったときが一番いいぞ、という感触を得ていて、直前まで跳んだりわさわさ大きな動きを繰り返していた気がする。
いつのまにかしずかにいられるようになった。
やりすぎず、やらなすぎず。
もちろん今でも調整を微妙に失敗することはあるのだけれど、そのほんの何時間かの組み立てだけに因らないことがちゃんとわかっているから心配はしない。

なんて言いながら、最終日の集中はほんとうに変なところにあったのだけれど。
踊りながら時々、この振付を踊るのはもう今日で最後だなとか、今日は○○さんが見にきてくれていてどのへんの席のチケットを用意したっけ?とか、あと何曲、とか、そういうことを考えてはいやいや集中しよう。今の踊りのことだけ考えよう。と、今度はそのことばだけが頭を満たしたりする。
からだと気持ちが完全に分裂するとき。

やっぱり調整がうまくいかなかったということなのかな。