* 過去と未来を同時にはらむ



『精霊たちの家』についていた池澤夏樹の解説を読んで、昨日母系家族のことについて話したことを思い出した。
すごく個人的な感覚で言うと、女性を幹としてその血のことを考えるととてもものごとがわかりやすい気がかねてからしている。
性質も業も、連綿と綴ってゆくのは女性なのかなあという気がする。
それに比較すると男性はとても刹那。

ふと、以前読んだマンガでもし世界の政治を女の人が握っていたら中途半端な戦争は起きないだろうと書かれていて、なんとなくうなずいたことがある。
女性の方が平和を好むからではなく、もしかしたら赦さない存在を、身内においておくことができるから。

+

いただいた絵をちょっと高いところに移動した。
それだけで全然光の入り方が違う。
あれから、神社にどうしても行きたくなった。
宮沢賢治を読んだ。
そして自分の今年の目標が土壌を耕すことだったことを再度思い出した。
良さも悪さもわからず踊ったり写したりしている。
踊るときには迷いはない。
これほど確かである時間がほかにあるだろうか。
けれど、それがなにを示すのか、それが何を差し出したのか、私にはわからない。
手を離れたとたんにもうひとりでに生きて、散る。
私にできることはその瞬間を愛でることだけだ。
ほんと。
そのはかなさといったら切ないくらい。
その儚い瞬間こそがいちばん確かだなんてね。