* ギャラリーにお邪魔する



昨日は石原さんのギャラリーにふたたびお邪魔した。
到着するといつものように、小さなテーブルにお酒とおつまみを囲んでいた。
私もそこに混ぜてもらう。
何人かが入れ替わり、立ち替わりする。
でも緊張もせず、ただそこに包まれて受け入れていればよかった。
なかなかそういう状態でいられることは少ないのだけれど、驚くことでもなかった。
どの状態にいるわたしもことも知っているのだし、どうして今安心にとっぷり浸かっているのか、ちゃんと分かっていたから。


もっと奥、深いところで受け止めたい。
反応を早く返そうと思うからなのか、ほかの、たとえばちゃんと聞いていることを相手に伝えたいとか正直に受け取り伝えたいと気張ってしまっているせいなのか、てきぱきと聡明でありたいと思いすぎなのか、跳ね返す場所がまだ浅い。
おとしたい腑までは落ちていないかもしれない。

ことばは、難しい。
その色もおちてゆくときに内部を撫でる感触も、意味の伝わりも、過去と結びつくことも、
全て速度が違うから。
その全てを一瞬でとりまとめて、今度は私の中から、あちこちから恐ろしいくらいたくさんの感触を掘り起こしてことばをつくらなきゃいけない。

こんなことがどうしてあのスピードでできるんだろう。


いろんなことばを、いろんな時間のものがたりを、いろんな感情の角度を、
いろんなひとのまるさを、いろんな層の知識のようなものを、
ただうつしとって一枚いちまい重ねてゆく。
大切な感触はそれきり溶けてしまうものばかりなんだけど、濾されて、ことばそのものだけが残る。

いちばんそこから遠いことが、重要なひきがねになってひろげてくれることがよくあるなあという気がする。


石原さんちのあーちゃん。
あのうちには白いあーちゃんの気配が満ちていた。


-------------------------------------------------------------------------

●石原智是展
日時:11/30(月)~12/5(土) 12~19時 ※最終日は17時
場所:銀座ギャラリー アーチストスペース (Click!)
    地下鉄銀座A3出口より徒歩4分/東銀座駅三原橋口より徒歩2分

石原智是は野外で描く為、絵画に光が内在化される。その光はフレームを超え外部に拡散する。一枚の絵画が占める壁面積を大きく取り、増谷文良の照明プランによって、この特質性を証明する。また、ダンスと演奏によるパフォーマンスを行うことで、石原の絵画がどのように外部と呼吸しているのかを示すことができるであろう。朝弘、加藤、増谷は石原が描く現場に立ち会った。三者はその光を受け止めた。光の中へ、光の中から、光の外から…。どのような時間が繰り広げられるだろうか。  (宮田徹也/日本近代美術思想史研究)

---------------------------------------------------------------------------

石原智是個展+『In The Light』 30日ソロで踊ります (Click!)
   油絵とともに踊らせていただくことになりました (Click!)
   スペシャルカラーズライブ(音楽の加藤さんライヴの感想) (Click!)
   こやしをもらった土曜日と日曜日 (Click!)
   石原智是さん個展初日にて