* 過去と未来の夕焼けぜんぶ

夕焼けがきれいで写真を撮っているあいだにもどんどん暗くなる空にどきどきした。
失うことのどきどきなのか、あんまりいっぱいとどめておくことへのどきどきなのか。
あかくなりはじめた空をなんの邪魔もはいらないこころで静かにただ眺めていられたらいいだろうと思う。
そんな簡単なことにあこがれるなんて、へんだな。

たくさんのひとが夕焼けを見ていて綺麗だねと伝えることでどんどん気持ちがふくらんでゆく。
しあわせは分けてもちいさくならない。
遠くまで足を伸ばして、それぞれに還る。
とても簡単なことなんだ、ときには、ひとのこころは。
そんなふうに単純にきれいだね、と微笑みあえることがこれから増えてゆけばいい。遠い願いじゃなくて、歩きながらみつめるもののなかへちゃんと並べる。

今日は姫ちゃんと親分にもらった植栽セットに手をいれた。
プランターに細かく石を敷き土を入れてたっぷりと水をあげ、溝に種を蒔いてゆく。
溝を作るときにちゅんに青虫をあげた割り箸を使ったらちゅんが青虫をくれると勘違いしてぬか喜びしていて悪いことをした。
しめった新聞をかけて窓際へ。
ガーデンレタスとこまつなとルッコラ、どれが最初に芽を出すんだろう。
それからスイートバジルも植えた。
食べられるものばかり。
あれから何度も新聞をめくって土を見ている。
「芽はまだよ」と母にたしなめられる。

捨てることが必要だ。
すてないから、新しくなれない。
混沌じゃなくてこれは未整理だ。
いさぎよいひとみでいよう。


必要なものはきっと(blog:あわせ鏡)