雨のおわり



こんなに夏は太陽がまぶしいんだっけ?
と毎年忘れて毎年びっくりする。
雨を越えていつのまにか夏がくるのを、今年はどこか準備をしながら静かに待っている。
予定が決まっている1年というのはやはり早い。
けれど4,5年前のてのひらに何も残らないように思えるはやさとはまるで違う。

昔のこいびとの夢をみた。
ぶらさがればそれだけうんざりされるのはわかっているのに、あやまりながらも泣くのを止められない。
起きてから不思議な気持ちになる。
実際はもっと聞き分けがよかったように思うし、それに第一もうそんなふうに子供なつもりはない。
けれどどこかにそのぐずりのようなものが融けずに残っている。