夢/町を探す、女の子、水の湧く塩

夢。

ある写真を見ながらその町並みを探す。 13stと14stと道路に書いてあった。 外国の映画みたいに(ちょっと赤毛のアンみたいな雰囲気で)私には親友がいる。 豊かな髪をふっくらと紐で押さえた髪型。その親友を追いかけるかたちでその町並みを探す。 彼女が先に行った方向に進むと、階段の上から写真そのままの景色を見つける。 少し視線がずれるだけで夢のように美しいひかりと影の世界があった。 丸い陽だまりのなかを逆さまに進んでくる親子、赤と青の靴の行列が果てしなく垂直方向に続いている、万華鏡のようにきらきらと降る木漏れ日や、どこからか射す虹色のひかり。 夢中でシャッターを切る。 藤城さんの影絵の世界が現実になったらあんなだろう。 露出を気をつけなきゃ、と設定を変えているといつまにかそのボタンが小さな春キャベツになってしまった。

彼女だったらここを進んだであろう道を行く。 道を間違えないことは仲良しの証みたいなものだった。 写真を撮ったひとの意志と友人の心の動きを同時に見て、重ね合わせるような作業。 これ以上彼女は進んでいないんじゃないかと思って立ち止まると案の定草むらに蹲って私を脅かすために待っていた。 仲良しなのに私はやっぱり近付くのをためらう。 髪が温まっておひさまみたいな匂いがしてでももう夕方に差し掛かっていた。 自分が男の子に見えると思っているから、直接触れたりすることは女の子に嫌がられる気がしてできない。そんなことを気にする自分には何か問題がある気がしてもやもやする。

それから画面は一転して仲間といった雰囲気の男女8人くらいでご飯を食堂で食べている。 舞台か何かを一緒に合宿みたいなことをして作っている仲間らしい。 何を食べたか覚えていない(誰も何も食べてないかも?)けど私は食堂の塩から湧く水分ばっかり飲みたくて何度も塩のビンを逆さにする。 しばらく待つと水が湧いてくる仕組み。 喉が乾いていて待てないから急ぎすぎてちゃんと水が分かれず、しょっぱいばかり。 食堂の塩なのに直接口を付けてる。 溶けた塩ばかりが口に入ってきてすごく喉が乾いた。 私が諦めた頃合いを見計らったようによし、いくか!という感じになって食堂を出る。 帰り道はみんなスケボーに乗っている。 道の端には切り立った山があって防音シートみたいな土留めのシートのようなものがずらっとかかっている。 それをひらひら潜り抜けながら走る。 いつのまにか夜で私は一番最後からみんなを見守って幸せだった。