鎌倉のお寺で蛍を奉納するところをみられるというのでいってみた。 蛍を奉納ってどういうことだろうか。お米や火をかみさまにあげるというのは感覚として馴染むけど、蛍にはどんな由来があるのかな。 薪能を踊って火をおさめる、というのとその幽玄なかんじは似ているけど。

蛍はじっと見ているとだんだん息をひそめてしまうような生きものだと思った。 だけどあんなに大勢が見ていても自分のまっとうすべきことをしんしんとやっている。 ときどき無防備にひとの手にとまったりもする。 あまり蛍のことを知らないけれどきっと他の寿命の短い虫のようにじっとひとりで大きくなって繁殖期だけこうして光っているんだと思うと、個としてのいのちよりも種として続いてゆくことがただそこにはあるんだなと思う。 すごくきれいだった。 季節によって花や虫や食べられるものや雲や…そういうものがめぐってくることが楽しみなような、生活をしたいなあ。

あの蛍は今週いっぱいはあの池で毎日光っているみたい。 そのあとは自然にまわりの川や藪に散っていくのか…それとももう寿命なのかな。 あの時見た蛍が今も微かに光って飛んでいるなんて不思議。