皮膚、服、からだともの

日常の繰り返しを表すこととしての服の脱ぎ着のこと。
からだを洗う順番があるのと同じように袖に手を通し、腕をどこから回して再び服を握って胴をひねって縮めて納め、ひっぱって整える、という一連の動作の中には心地のよい流れがある。
からだのどこが今主役で、どこでサポートしているのか。なにもしていないと思える部分も実はその目的のための動き/停止をしている。
そこに振りが加わった時にどうその流れが邪魔されるのか、どこを落とせば両立するのか、無理に進んだときにどう辻褄をあわせるのか。

からだに接したばかりの時布はからだを覆う異物だけど馴染むことで皮膚の感覚は延長される。
それは服だけじゃなくてたとえば野球のバットとかもそうだけど、感覚は延長されて肉体の一部として働く。
急にそこから切り離され、急に覆われ、今度は本当に布がなくても感覚だけを広げる。