淡路島・大阪・神戸/なつかしい場所みたいに



今年は去年のように、毎日まいにちここで踊らなかった。
だからここからの景色はあまり写真に残っていない。
去年あれだけここで陽にやけて、汗だくになって、みんなでいろんな海や光や空や雲を見たことが懐かしかった。

去年と変わっていたのは、草が伸びていたこと、とんぼがいなくなっていたこと、虫も少なくなっていた。
働いている方が増えたこと、去年お世話になったおばちゃんがひとり辞めちゃったこと。
すいかを食べなかった。
アイスも。
去年はつばめの子が飛ぶ練習をしていたのに今年はもう練習を終えて一人前みたいな顔をしていた。


去年2週間いただけなのに今回訪れてとても懐かしい気がした。
帰ってきたような。
へんだな。
でも考えてみたら、田舎らしいいなかもなく旅もそんなにしたことのないわたしには、自分の家以外で2週間も滞在したことがあるところなんてないのだった。

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自分の時間をどれだけそのことに切り分けたかで、自分がそれに注ぐ愛情のようなものの大きさや深さが変わる。
だからたいせつなものとはゆっくり一緒に歩かなきゃいけないと思う。
今までそういうものをあまりにもすっとばして暴れてきたので、とたんにそんなふうにできるのかわからないけど。
でも、ことあるごとにほら、って目の前に差し出される。
優しい友達に諌められるみたいに、わたしは歩調をゆるめる。