宙に浮いたじかん、ミノタウロス



父がうちにいるようになってからますます曜日がわからなくなった。
会社にでかけても金曜にカレーを食べてもどこかで休日の時間がからだのなかにたまごのように、ある。
毎週土曜日と日曜日におやすみの日のたまごをうみだすけれど、完全に戦闘モードになることがない。
だから必死になってなにかを終えるとぽっかりとそこだけ切り取られて、同じ場所に二重にごわごわと貼り付けられたみたいに感じる。
もちろんしんどいわけでもないしこれからしんどくなりそうな予感があるわけでもない。

一般的、と自分が思うものからはずれる自分のことをあまりくよくよしないでいいという開き直りのようなものがちょっとずつ浸透してきた。


今日は横浜の大桟橋ホールで行われているヴァージンフェスタで踊ってきた。
朝5時過ぎに起きてもう7時半過ぎには横浜にいたから、帰ってきて夕ご飯を食べたらぱたりと眠ってしまった。
そしてこんな時間(今、夜中の3時半)に起きている。
こんな時間でも信号は赤になって青になっているんだなあ。
たとえ誰も渡らなくてもひとりでしんと。

なんだか実はどんどん自分の動きのことがわからなくなっている。
表面にあらわれているもののすべてに対して、目隠しをされているかんじ。
くらやみで鏡の前に立っているみたいだ。
ときどきひかりが差してグロテスクなくらいな認識がおりてくる。
思わず、うごけなくなる。
まるではじめて自分の声を聞いたときみたいだ。


ちゅんがおきてきてしまった。
もう1時間半もしたらおきる時間なのに、ごめんね。
停電で抜けてしまった羽根がなかなか復活しない。
いつもの生え変わりのときよりも、ずっと新しい羽根がおくれているみたいだ。