この石のことをずっとすっかり忘れていた。
こんなに遠出をして遊んでいたんだ。


細かいざらざらの感覚から、おおきなごつごつの感じから、全部覚えている。
子供の頃はなんでもかんでも触るけれど、それを毎日のように繰り返していたわけだから。
少し透明の砂粒が混ざっていたことも、ごましおのような石がすぐあったまり、すぐに冷えることも。


このカーブにからだをあわせて、ときにはさかさまになったりもした。
石と石とのつなぎ目にガムのような見た目の部分があって、けれどガムのようにはやわらかでない。
なんだかきれいじゃない気がしてそこにはなるべく触らないようにしていた。

ここにうまくはまると、もう誰にも見えないような気がしていた。