意識はとてもひらけているのにそこで拾ったものは知らないものだらけだった。
そのときには少しも意外に思わないのに並べて読み返してみるとほんとうに自分のからだを通したものなのかと呆然と見つめてしまう。
珍しい貝や特別に光る砂のように、わたしとは無関係な場所から紛れ込んできたのではないだろうか。
書いたものやほんとうの会話のこういう感覚が、踊ることや撮ることに浮かんでくれたらいいのにな。

いま、感覚がほとんどすべての行動を決定付けている。
感情とか触覚とか勘みたいなもの…。
思わぬところにゆけるけれど、制御できない知らない生きもののようにいつのまにか深い溝を占領してしまうことがあるから気をつけなければいけない。
手助けしてあげないとすぐにあらぬほうへ掘りぬいて進みたがる。
手に負えないのが眩しさなのだったらいいのだけれど。

こわいから暴れないでほしい。
でも、そこへ連れて行ってほしいとも思う。
まるでたましいを売っているみたい。
くすぶってほつれて、また立ちあがる。