houseki
ときどき、ちゃんとひとなみに生きてゆけるのかわからなくなることがある
なにかを傷つけたり失ったりすることを恐れているわけじゃない
もうおとなだから
おそれているのはもっとすごくかんたんなことなんだ
まるでこどもみたいに
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真夜中の空に問いかけてみても
ただ星が輝くだけ
こころからとけだした黒い湖へと
流されていくだけ
もう一度天使はぼくにふりむくかい?
ぼくのこころで水浴びをするかい?
やがてくる冬の風に波が揺られて
闇の中へぼくを誘う
氷のように枯れた瞳で
ぼくは大きくなってゆく
誰もよせつけられない異臭をはなつ宝石
こころからしみでた黒い空に
今夜も星は輝くだけ
やがてくる春の光
息を吸い込んだ
('宝石'-タテタカコ)