* 新宿/花園神社



年末、芸能の神さま、花園神社へ。
わたしが大人になったまち、新宿散策の出発点として選んだ花園神社。
写真展の成功とこれからもすこやかに踊れますように、というようなことをつぶやき、あとはじっといろんな考えごとをした。
神社での考えごとは思わぬふくらみを持つ。
するといつも、いつのまにか目をあけてじっと神さまの方を見つめてしまうのだけど失礼にあたるのではないだろうか、大丈夫かな。


白に黒い模様のある子と、茶トラの子は仲良しみたいだった。
かたほうがどこかにすっと立つと、もうかたほうもとことこ寄っていってからだをひたとつける。
時々離れて、どこか遠くを見ている。


茶トラもものすごく真剣に何かをみてる。
…無意識に深入りしなかったけれど。


花園神社での年越しが好きだ。
いろんなひとがいる。
熱い甘酒で手をあたためてたいまつに近づいて。

5年前の年越しは今でもよく思い出す。
ドイツに行くことが決まっていて、それを占うみたいな気持ちで勇んでおみくじを引いたら
「仕事は見つからず、勉強は成らず、運の悪い方向は北西、旅はやめろ、待ち人来ず、探し物みつからず」
みたいなことがさんざん書いてあった。
唯一、出産の相だけがやたらとよかった。
無駄だねえこの運。と、笑いすぎてたいまつにつっこみそうになった。

そんなことが迷宮のこだまのように消えずに残っている。
わたしひとりでもこれだけつまみあげられるのだから、いったいどれだけの記憶を抱えているんだろう。