* 新宿/職安通りから電車沿いの橋



あてどもなく街を歩くとき、可笑しいくらいその動機は単純だ。
そうして目に留めるものは儚いのに、その軌跡は深く重たい。


あてどもなく街を歩くとき、たいていわたしは混乱している。
どこにもたどり着かないように歩いて、あちらこちらに置いてくる。
もしかしてそんなときわたしの影は、ほんの少し薄いんじゃないだろうか。


学校からの帰り道、部活や、学園祭の集まりの帰り道。
踊ったあと、ひとに逢ったあと、
暗くても明るくても、
特別なにかを考えるでもなくこの道を歩いた。
なるべく誰にも遭わない道を。
そうすると、少し危ない道を通らなければならなかったけど。


いつまでこの道は残ってくれるんだろう。