* 秋はおわって



秋はいつも確かななにかを手元に残さぬままいってしまう。
だから秋を待ち、秋を惜しむうちに、過ぎ去っていることに気付く。
毎年秋はくるけれど、考えてみたら私は生きた年のかずだけしか秋を知らないんだ。


いちょうの黄色はいつも上手に撮れない。
太陽の輝きをそのまま残せないのと同じ。
いつもくすんでしまう。
けれど白黒写真であってもこれをみごとに感じさせることはきっとできるんだろう。
そこに作用するものはいったいなんなんだろうな。


日曜日はクリスマスパーティーを、芝居時代の友達とするはずだった。
プレゼント交換用の贈り物も用意していたのに、体調が回復せず断念。
ふて寝しながらずっと青空文庫。
それからブラタモリを見て(三田)、『萌の朱雀』を見る。
もう元気になったけれど寝すぎでからだが痛い。

『萌の朱雀』のなかに出てきたような写真が撮りたいと思った。
やっぱり今わたしをひきつけるものはそれに尽きるんだな。

"自分にとってのっぴきならないもの” か。