* 『歴史の天使』 ワタリウム美術館

髪を切って少し時間があったので青山のワタリウム美術館へ。
日差しを浴びながら写真を撮りながら、原宿のはずれをふらふら。

気になったいくつかの写真をメモ。

「報われた美徳」ルネ・マグリット
何もかもを根こそぎ刈り取ったような広い土地が広がっていて、水平線のあたりの家並みの強弱が美しい。
影が立ち尽くしている場所こそがその美徳を為したまさにそこ、ということみたいに潔く気高くひろがっている。
マグリットらしい、と思った。
この題名のつけ方も、画面の選び方も。

「ケヴェダの鳥」ジョエル=ピーター・ウィトキン
ヘンリー・ダーガーの、少女たちを守る聖獣みたい。
まがまがしいのに、なにか母性を感じる。

「カノーヴァのビーナス」ジョエル=ピーター・ウィトキン
ドレスデンかベルギーの美術館でほれ込んだイサクの横顔を思い出す。

「付けぼくろのプエルトリコ女」ダイアン・アーバス
フェリーニの81/2に出てくるサラギーナを思い出した。
まるきりそこに生きているかんじ。

「ビアリッツ」ジャック=アンリ・ラルティーグ
こんな四角いたこ、撮りたいに決まってる。
絶妙な帆(羽根?)のR。

リチャード・アヴェドンの雑誌撮影のビデオ作品
モデルさんを魅力的に映しているし、服はいいなあ、と思わせる。
扇風機で巻き上がった髪やスカート、スカーフが本当に綺麗で、あの瞬間をカメラでつかまえることができる仕事って素敵だと思う。

*「雨だれのついた枝」ヨゼフ・スデク
今回はこの写真をみられただけで行った価値があった、と思うくらいに好きになった一枚。
ワタリウム美術館のHP