* 祭の砂煙



舞台を見てから、何かが変わるような気がしてしかたがない。
変わる、というか変わりたい衝動がもくもく。
今この気持ちを打たなければ。
砂埃を残して去ってしまわないうちに。

もう全て覚えた!と思ってもちょっとずつ歪みがある。
そこに気付いてゆかないといけないと思う。
本当はじっくり感じて踊りたかったのに、衝動に突き動かされたい気持ちが大きくてからだの中が喧嘩をした。
今日は仕方ない、とある程度はゆだねる。

もうひと組のキャストの踊りを見ながら、音のとり方がこんなにも違うことに愕然とする。
それは合わないよ。
当たり前のようにそろっている音のとり方が私と全然違う。
音の感じ方がこんなにも違うんだ。
音の高鳴りとからだの高鳴りは、かならずしも一緒じゃない。
ずっと、シンプル。
ひきのばさない。
自分の中に余分なメロディーもつくらない。
そんな感触を自分のなかに取り入れてみて、もういちど選びなおすことには大きな価値があるだろう。

今日クワンたちは帰ってしまう。
すーごく寂しい。
クワンは私あてのプレゼントをホテルに残してくれているみたい。
泣ける。
お祭りが終わってしまったみたいに。