きりん、螺旋



きりんが好き。
ちいさなころ橙色の風船を一緒にお手玉したから。
多摩動物園ではキリンがご飯を食べている顔を見られる。
長くてむらさきの舌が藁を絡めとったり、頭のうえに藁をのせたまま食事を終えて歩いていたりするきりん。
たくさんスケッチをしたから今でもきりんは見なくても描ける。(ただし、へたくそ)

ここでの食事風景は、背中しかみえなかった。
このこだけ、なんだかぽつんとここに残って所在なさげ。
足が痛いのかな。

痩せて、首だけをうしろにもたげた時の背骨のラインは危うい螺旋階段のようだった。
そのままでいて、とカメラを構えたけれど画面が決まる前にほどけてしまった。