どこかの太陽を想う



風にぶれる手元をかためながら。
寒くても、昼間の太陽が懐かしくても、夜が好きだ。

南の島よりも、いつも太陽を待ち望んでいるような北国がすきだ。
目を瞑ると地面の裏のどこかを照らしている日差しと、ちくちくした影を伸ばす芝生が見える。

ヘリコプターのある公園にできた大きな水たまりを一周して、それは世界一周に等しかった。
崩れた砂の断面は崖だったし沈んでやわらかくなった芝生や薄く波の跡のついた土、ぶくぶくと泡のたつ残された湖といつのまにかわいてきた小さな虫。
世界中の地形。

濁らせて、また澄むまで待って。

いつも首すじと鼻ばかりがやけた。