なにかにつけて今気になっていることがちゃんと姿を見せる、と、近づいているようなつもりになっていたかもしれない。ここにきてぶっつりとふさがれる。ああ、そっか。同じ表面をぐるぐるとなぞっていたから似たものに出会っていたのか。もしかしたら。どこ…
熱とか咳とかで耳のなかにぶあつい真空の栓のようなものができた。空気を抜くとびっくりするほど音が聞える。緩やかな山に登るときの気圧の差のように緩慢につつまれてゆくから音が欠けてゆくことに気付かず、いつのまにか世界がくもってゆく。目の前のこと…
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