その檻の真ん中にはとがった草に囲まれたテーブルほどの岩があった。ちょうどくぼみのところにひよどりがぽつんとしゃがんでいる。灰色に曇ったとても寒い日で、ひなたぼっこをしている様子でもないしかといって震えている様子もない。ただ丸い真っ黒な目を…
バイト先の事務所が移転したので朝歩く距離が少しだけのびた。同じように通勤するひとがだんだん減ってゆきいつのまにか足音がひとつになる。子供たちが門の警備員さんに元気な挨拶。雨の名残が肺を満たす。ヒヨドリがきかんぼうらしい声をあげながら横切る…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。