アトリエ/アートナイト

アトリエに連れて行ってもらう。 植物がたくさん置いてある大きな窓は湖に面している。 コレクションも素敵だったけれど彼自身の写真をいいなと思った。 芝生だけの写真、厳しくて、不思議な重みの動きをしてる。 これはどういうものなのかと聞いたら、崖ぎわに生えて、強い風に吹かれた草なのだった。

何百ものスライドが閉じ込められ溶けたプラスチック。 大きなディフューザー。 昔の写真屋さんみたいなカメラ。 暗室もよく使い込まれている。 たくさんの工具が下がっているなと思ったら、何でも自分で作ってしまうひとだそうだ。 インパクトレンチを持っているなんて誰かさんみたい。

未来世紀ブラジルのサントラがかかる。 まだ見ていないひとりに、これはこんなシーンでかかってね、と演じてみせる。 テリー・ギリアムの作品の中で一番だと思う!絶対見るべき!と熱く語る。 クロサワアキラ好き?三船敏郎好き?隠し扉の三悪人見た?七人の侍持ってるよ。 スクリーンを取り付けているから、今度見よう。

お土産のアイスワインを飲む。

郊外のアートナイト(http://www.lemanifestecolore.org/)へ。 バンド演奏がはじまって、最初はこんなものかなーという気持ちでぼちぼち見ていたのだけれど、だんだんボーカルの女の子のパフォーマンスに引き込まれていった。 みせるひとだな。 かっこ良くて、開け放たれてて、キュートだった。 からだの動きというか、存在に、あやふやなところがない。 しっかりそこにいる。 ひとつの、華のありかた。

ロマの歌のようなものを歌っていた女の子がずっと見とれてしまうほどに可愛かった。

帰りはパリ市内まで車で送ってあげる、と言ってもらったので同乗。 途中の林で、トイレを我慢できなくなった女の子が用を足しに行く。 フランス人、自由だ。 シャトレーからはメトロに乗ってうちまで帰ってくる。 駅から間違えてムーランルージュの方に歩いたので、怪しい視線にたくさん出会う。 パリはわりと物騒なので、夜が更けたらひとりで歩くべきじゃない。 こわいこわい、と苦笑いしながら戻る途中、バーからcome togetherが聴こえてきた。

おうちまで、歌がついてきてくれた。