波の集まるところ、当たってほしくない予感

ガラスとか金属とか、硬くて冷たい素材のもので薄い板になっているものを見るとおでこが痛くなります。 今すぐ自分が転んでその拍子にわあっとそっちに飛んでいって眉の上あたりにちょうどそれが刺さる、ような想像をしてしまうからです。 それほど大げさなものではないんだけど先端恐怖症に似た感じのものなのかな。 その想像が結構真に迫るものであるので、もしかしていつかそんなことが起こってしまうのかもしれないと不吉なことを考える。

もしかして私が工事現場を好きなのは、そういうものへの怖いもの見たさに似た惹かれ方なのかもしれない。

このあいだ非常階段でひとりでタバコを吸っていたらはるか下の階段の手すりにやっぱりそんな感触が起こってもうこの予感みたいなむずむずをどうにかしてほしい、とおでこをさすっているうちに、もしかしてこれはそういうことじゃないんじゃないかとはっと閃いて、ひとり啓示をうけたみたいにすくんでいたら時間が止まるみたいに見ているもののエッジが強くなってからだが充填されるみたいに光ってきて、すりかわりそうでした。 今このなんの変哲もない裏階段の踊り場を、私は撮るべきなんだろう。 と思いながら動くことはできなかった。 もうちょっと待ってみたかったから。

ってなんのことやらです。 自分ではちょっと分かっていることなのでメモ。