NYに踊りにいきます

月が終わる頃にいつもこう思うけど、11月がもうおしまいだなんて信じられない。
12月に入る前にいろんな準備や整理をしておきたかったけれどどれだけこなせるのか。


月末から10日間ほどNYに行ってきます。
春に即興を40分ひとりで踊る機会をいただいたのだけれど、その時に共演した尺八を吹いてくださった方がNYで楽団をつくり、その公演のために呼んでくださった(…というより押し掛ける、と言った方が正しいかもしれないけれど)。
教会で踊ります。


NYへはあのテロの10日後に行く予定になっていたのに叶わず、それからずっと遠ざかっていた。
あのNY行きが実現していたら働いていたスタジオをあんなに早く辞めなかったかもしれないなぁとときどき思う。そうしたら今のわたしはどうなっていたかな。もちろんずっとそこに残るという選択はなかっただろうけど、それでも時期がずれていたらもっと違う今があったのかもしれない。今のバイト先にもコントラステにも、多くの友達にも出会っていなかったかもしれない。
そう考えると私にとってもあのテロは人生のジャンクションになっていて、毎年不思議な気持ちになる。

フリーになって忙しかったり身の振り方を悩んだりしたこともあったけどあのテロの起こった場所にずっと行く気持ちになれなかった。
海外で踊りたくて仕事探しをはじめた時にもアメリカに行く選択肢は私の中に浮かんでこなかった。ヨーロッパだけじゃなくてイスラエルやシンガポールやエジプトやカナダでもいいと思ったのに。
就労ビザの問題もあったけれどいちばんの理由はもっと気持ちの側にあった。

でも今年の911の時期にいろんなTV番組を見ていて、自分の気持ちが変わったことを意識していた。
今あの場所を見たらどんなことを思うんだろう?って。
わたしはあの事件で近しいひとを失くしたわけでもない。
ただどうしても踊りにいきたくてそこに行けば息ができると幻想をみていて、それがはじけたにすぎない。
でもずっとひっかかっていた。あれはなんだったのかな、って。
今その場所にいったらなにを思うんだろう。
そう考えている時にちょうどこの舞台の話が舞い込んできてこれは逃すべきじゃないと思った。
だから。


NYではもちろん舞台も見たいし写真の画廊もたくさんあるみたいだから、詰め込んでこようと思う。


その間たくさんご迷惑をおかけしてごめんなさい。
会社にも、ほかの舞台リハーサルにも、写真のことも。
今回は10日間と短いので日本の携帯を生かして持っていきます。何かあったらそちらに連絡をください。