* 呼び声



寛平ちゃんのアースマラソンのコースがブリュッセルやアムスやフローニンゲン(オランダはまだ予想だけど)を通ったり、友人がザールブリュッケンに行くことに決まったり、友人がパリに行ったり、何だかこの頃ヨーロッパを思い出させることにちょこちょこ触れる。
あみやまさおちゃんや佳子と逢えたこともその大きなひとつ。
なんだろう。
ヨーロッパに来なさいよ、っていうことかしら。
…違うか。ちがう。

さすがにもうこの年でヨーロッパのカンパニーで仕事をしたい!と飛び込んでいくわけにはいかない(まあ、4年前だって相当無理な年齢だったのかもしれないけど)。
そんなに甘くはない。
それにそんな高飛びよりも、わたしはもっと着実に今の自分がいる場所で積み上げなきゃ。

けれどヨーロッパにいきたい気持ちは薄れない。
たぶん旅行よりはもっとじっくりと、生み出すことに繋げられる何か。
夢、でいい。
今はもしそれをできるとしたら何によってなのか、模索してみようかな。


昨日はまた宇宙ステーションが空を通るよ、と教えてもらって、急いで母とベランダに出た。
空は厚く霞んでいて、今回はなにも見えなかった。
予定時刻を5分過ぎても見えなかったから、もう行っちゃったのかもね、と部屋に戻ろうとしても母はなかなか戻ってこず、いつまでも空を見ていた。
母にはどうもそういうところがある。
流星群がみえるよ、と教えてあげるといつのまにかベランダに出ていつまでもじっと見上げている。
あまりはしゃいだり大きく感情を出したりしないのに。
そんな姿をみるとなんともいえない気持ちになる。
可哀想みたいな、可愛いみたいな、悲しいみたいな、切ないみたいな、微笑ましいみたいな、子供をみるような、でも決して子供じゃないし、…そんな色々がごちゃまぜになった気持ち。
お母さんが見上げているあいだに流れ星が落ちてくれたらいいのに、と思う。


もやもやと、それとは別にとびきりうれしいこと