走るTシャツ@九十九里 2

真夜中に九十九里に着き、小さな運河沿いで花火。
海岸まで真っ暗な中を歩く。
地面の感触が次々変わることとときどき釣りのおじさんのちょうちんあんこうみたいな灯りが近づいてくること、雲が次々に星の見え方を変えてゆくこと、質を変えてゆく潮のにおい、それからお互いの話し声だけが感覚の中にあった。
海岸に大きな石が詰まった網のブロックみたいなものがあって、それが一体なんなのかわからなかった。番号がついていて、遺跡のように迷路のように整然と並べられていて…。
その近くにテトラポットがずらっと並び聳え立つ道があって、細い月のもと歩くとちょっと地球じゃないみたいだった。


車の中で一眠りしているとわさわさとサーファーさんたちがやってきて空が薄明るくなるころにはもう海に入っていた。
私たちはむくむく起き出して寒さに震えながらずっと続く水平線と海岸にただ見とれてた。




反射する影をなんとかして撮りたいちゅん1号。
どれどれ、とできばえを見にくる親分。