* リハ、錘、みどりの水の絵



7月のセッションハウスのリハーサル2日目、初めて全員がそろう。
キミホさんの舞台で好きな動きをするなあと思っていたみなみちゃんと、1年前からいつかまた一緒に踊ろうと話していたななせちゃん、それから劇団ひまわりの尚美ちゃん、SETのさやちゃん。
ジャズっぽい振りを舞台で踊るのは久しぶりだし楽しいのだけれど、なにより作ってゆく過程が興味深い。
どう反応しあってゆきたいのかまだ明確にならなくて立ち止まることも多いのだけれど、これからいろいろ共有しあってなじんでいけたらきっともっと絡まってゆける。

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今読んでいる本、ホールデンをもっと剥いてひりひり傷つけたみたいな感じをからだに残す。
顔を失くして欲そのものだけが静かに生身を発光させているお兄さんの描写がすべて剥ぎ取られたにんげんだとしたら、ひとがこれだけたくさんの鎧を着込むようになったことは必然だったのだ、というふうに思う。
絶えないために。

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静かだな。
かたくしばっていたものが解けてほろほろと零れる。
そういうものも受け入れようと覚悟しているつもりなんだけど、やっぱりやっかいだとも思う。
だってやまいみたいに時間をおかしてゆくから。
でもそうやって考えると私が触れたと思っているまっさらにやわらかな芯はまだ鎧なのかもしれず、掘り進もうとひとりで頑張っているうちは鋼鉄なのだろうなあという気もする。

そういえばとても不思議な夢をみた。
私の部屋に友人が来て、お風呂の中でこたつに入っているシーンがあった。
それから電車のようなアトラクションの乗り物のようなもので世界各国を巡った。
北欧で降りて、入り江の白い岩に座っておじいさんを撮っているおばあさんをカメラにおさめた。
自分が絵の中にはいりこんでいるんだという自覚が十分にあった。
だからどんな温度も感じなかった。